AGAの治療薬として知られているフィナステリド(プロペシア)とデュタステリド(ザガーロ)。今回はそれぞれの効果や副作用の違いとどちらがおすすめかについて各臨床試験を比較したデータを参考に解説いたします。

 

AGAとは

AGA(男性型脱毛症)は進行性の薄毛の症状です。5αリダクターゼと呼ばれる還元酵素がテストステロンと結びつき、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる物質が産生されることが大きな原因とされています。

フィナステリド(プロペシア)とデュタステリド(ザガーロ)の効果範囲の違い

 

フィナステリド(プロペシア)とデュタステリド(ザガーロ)は5αリダクターゼを阻害しDHTの産生を抑える働きがあります。

但し、それぞれの作用する効果範囲に大きな違いがあります。

 

フィナステリド(プロペシア)はⅡ型5αリダクターゼの働きを阻害するだけですがデュタステリド(ザガーロ)はⅠ型5αリダクターゼとⅡ型5αリダクターゼの両方を阻害します。

つまりデュタステリドの方がより効果の範囲が広い治療薬になります。

 

有効性と副作用(安全性)の比較

有効性に関して

290人のフィナステリド患者と286人のデュタステリド患者を比較した結果によると前頭部及び頭頂部両方においてデュタステリドの方が、改善効果があったと報告されています。

従って、デュタステリドの方がフィナステリドに比べAGAに有効であると言えます。

 

副作用(安全性)に関して

デュタステリドの方がフィナステリドに比べ効果が強力な分副作用も強いのでしょうか?

AGA治療薬の副作用の一つとして挙げられる性欲の減退に関して比較した研究結果によると両者に統計的な差はないと報告されています。

つまり副作用には大きな差は無いと言えます。

 

まとめ

今回はAGA治療薬であるフィナステリドとデュタステリドを効果と副作用(安全性)を中心に比較しました。

結論、効果範囲の違いからAGAの治療においてフィナステリドに比べデュタステリドの方が、効果が高いと言えます。

 参考文献:doi: 10.2147/CIA.S192435